Toussaint, Trépassés
すっかり日が過ぎてしまいましたが、11月1日は、フランスでは祝日で、«Toussaint»(トゥッサン)、つまり、「全ての聖人」を祝う日です。TOUS + SAINT = 全ての+聖人。万霊節/万聖節/諸聖人の祝日/死者の日...などと訳されているようですね。
最近、Toussaintといえばハロウィン!という感じで、かぼちゃのマスクやおばけのおもちゃが店に氾濫しています。
去年の10月31日には、 "Trick or Treat!!" とか言いながら仮装した子供がウチにもやってきて、呼び鈴をガンガンならされて苦々しい思いをしました。
「Trick or Treat!!」
「Trick or Treat...? 何、それ?」
「ハロウィンだよ、ハロウィン! 知らないの?」
「そんな習慣、知らないな−。わからないや。ごめんね。再見!」
...と嘘を言って追い返してしまいまったんですが(^^;、今年はそれが効いたのか、一人もやってきませんでした(笑)
でも、ホント、フランスの子供たちが何も考えずにアメリカナイズされていくのを見るのは、あまり好きではないのです。10年ほど前には、ハロウィンのハの字も見なかったんですけどね...
その時分、私はまだ学生だったんですが、Toussaintの日、今の妻の家族がお墓参りに行くのに同伴させてもらったことがありました。皆が粛々として花を供えているのを見、ああ、フランスにもこういう一面もあるんだなあと感動したことを覚えています。
そんなこともあって、なおさらハロウィン化していくのが堪えられないのかもしれません。
といいながら、娘にはかぼちゃのマスクを買ってやってるんですが(^^;
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ところで、そのToussantですが、巡回先でとても興味深い記事が展開されていますので、引用しつつ、つらつらと書きたいと思います。
でも、カトリックの聖人はカレンダーに載っている聖人以外にも沢山いるので、11月1日は全ての聖人に天国の至福が得られるように祝う日になりました。
なるほど。そういうことだったんですね。
そして、明日11月2日は「死者の日」(伊語:Tutti i morti)で、こちらは祝日ではないけど、イタリアでは死者、祖先に思いを馳せて敬う日です。
いいですね、死者の日というのも。名前はちょっとアレですけど(^^; フランスでは、Toussaintがそれを吸収している感じでしょうか。
同じカトリック国でも、フランスにはこの日は存在しないようで(たぶん)、誰も知らないし、言うと「なにそれ?」と返されてしまいます...嗚呼。
ウチの妻も全く知りませんでした。まあ、ウチの妻は無宗教で、宗教関連にはめちゃくちゃ疎いので、あまり参考にはなりませんが(笑)
しかし翌日1日はToussaint(キリスト教のすべての聖人の日)で祝日なので、家族そろって、年に1度墓参りをする。
そうか。ということは、1日は1日で今でもちゃんとやっているわけですね。早合点してました。来年は11月1日にお墓に行ってみよう。
でも、Halloweenがフランスに定着してきているのは間違いないようですね。
しかし、Halloweenって、そんなに面白いかな? Nightmare Before Christmas は、まあ、なかなか良かったけど、おばけとかホラーとかって苦手なので、イマイチ好きになれないんですよねー。
そういえば、Christmasもイブの方が盛ん? 新年もそうですね、考えてみれば。...そういう文化なんでしょうか...
私も知りたいです。19世紀に一般化したようだという記事は見つけたんですが。是非どなたか。もってゆくのは菊の花が圧倒的に多い。菊は日本から持ち込まれたと読んだことがあるのだが、いざ記事を探そうとすると見つからない。どなたかご存知なら教えてください。
ドルイドのついての情報が網羅されたすばらしい本だが上記の祭りについて「祭りはケルト人の新年とされてきたが、その関連は近年、疑問視されるようになっている」という記述がある。
ハロウィンがケルト起源であるというのはなんとなく知っていましたが...。その大元のdruidesの祭りが疑わしいとなると、どういうことになるんでしょう(^^;
アルプスより北ではJour desTrépassésが取り入れられたのだが、これがローマでも行われるようになるのは13世紀のことである。
ほほう。Trépassés(トレパッセ)ですか。
辞書を調べてみると、「trépassé [形容詞] [文章語] 他界した. --[名詞] [文章語] 死者、故人. →la fete des Trépassés 《カトリック》死者の記念日(11月2日)」とありますね。
# 見た辞書は、Shogakukanの Dictionnaire de poche なんですが、この辞書、携帯用のくせに、ホント、いろいろ載ってますね...(^^;
フランスで販売されているカレンダーには2日のところにDefunts(死者の日)と書かれているのだが、一般人はほとんど注意をはらってはいない。
# défunt: [形容詞][文章語] 死亡した;過ぎ去った。ー[名詞]故人;死者。(Dic. de pocheより)
うちのカレンダーにも書いてませんでしたが、
(モネの家で買った)
その代わり、「Trépassés (Luxembourg)」とありました。
(それで改めて記事を書こうと思ったんですが)
ルクセンブルグでは休日なんでしょうか。「アルプスより北」にも合致しますね。
# カレンダーには、10/25: Halloween (Eire), 10/31: Halloween (USA), 11/1: Toussaint - Todos los Santos - Ognissanti - Allerheiligen, 11/2: Trépassés (Luxembourg) とありました。
おまけ 「菊の花は1789年にPierre-Louis Blanquartが日本から持ち帰った」という記述を現代フランス情報辞典で見つけたがいったいどんな人なのかはわからない。
うーん。気になりますね。どんな人だったんでしょう。1789というのも印象的ですね。
「11月1日と2日で、...年間の96%」というのはすごいですね。上記の本には「11月1日と2日で2,500万鉢の菊が売れ、年間の96%を売り上げてしまう」と書かれている。
フランス人は菊がはるばる海を越えて日本からやってきたことなど全く意識していないのだが、菊は死者のための花として定着しているわけで、なんだか不思議な気がする。
全く、世の中は不思議なことが起こり得ますね。
...
ということで、とても面白かったです。お二人に感謝。
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面白いので、さらにいろいろ検索してしまいました。
clipしたものをここにリストアップしておきます。全然関係のないのもありますが。
(powered by MyClip)
▼Trépassésつながり
-
Les êtres affamés (skt. preta, jap. gaki) appelés encore "trépassés" sont invisibles aux yeux des hommes.
-
5-33 貧しい故人のために (Pour les pauvres trepasses*)
-
ベルギーのLobbesという町の教会のチャペル。
写真と解説。
...page27って凄いな(^^; -
映画
Yves Pouliquen -
海岸の写真多数
-
本
Gérardo Lambertoni
Editions Atouts. 2003 -
レシピ
-
歌詞
(Kanaouen ann anaon)
Origine : Bretagne
Source : Th. Hersart de la Villemarqué "Barzaz Breiz" page 739
Le soir de la Toussaintの話も少し
▼chrysanthème(菊)つながり
-
ブログ『仏蘭西の空を仰いでみる。』
お墓参りの様子。
お墓の写真多数。 -
「11月2日は、フランスの「死者の日」です。」
ガレの墓も。 -
Comme ça du Japon blog : "日本からこんな風に"-ブログ(日本語版)
「11月1日にお墓にchrysanthème (クリザンテーム) 「菊」を供えると言う習慣は19世紀から始まったそうです。」
...初めて見たブログ@free.fr。すごく独特なシステム。PHP。なんだろ... -
さるさる日記 - CARTE POSTALE より。
・FETE DES MORTS(フェット・デ・モール、死人のお祭り)
・TOUSSAINTのお花は、CHRYSANTHEME(クリザンテーム、菊のこと)。何故かと言うと、...
・1954年の11月1日は“TOUSSAINT ROUGE” -
週刊フランスのWEB 第138号
オンライン辞書の話、他。
「万聖節」とある。
▼All Saintsつながり
-
世界日報
写真多数
PHOTO: 梅垣知博
▼Halloweenつながり
-
・Hallow = Hallow( = 「神聖な」) + een( = even = evening)
・万聖節 【All Saints' Day】
・古代ケルト起源
・Guy Fawkes Night (11月5日)イギリス
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
facetさん、こんばんは。
引き合いに出して頂いて光栄です。
いや~しかし、凄いですね。これ全部調べたんでしょ?
とても勉強になりました。
Pierre-Louis Blanquartも気になりますね(^^)
投稿: ひで | 2004-11-07 21:31
いえいえ、調べたといっても、ググって、MyClipしたのを並べただけですからね。あまりに長すぎて、トラックバックするのもやめてしまった程で(笑)
まあ、お二人と違って私は検索ぐらいしかできませんから、これで誰かの役にたてばいいのですけど、逆にノイズになっちゃったりしてたら...申し訳ないかぎりです(^^;
投稿: facet | 2004-11-07 22:55
こんばんは。
たまたまやってきて、びっくり。でも菊のことは詳しく書いているところはないようですね。だれか教えてくれないかな。
ところで、フランス生活長いんですね。私、おちこぼれてます。フランス語教えて!
投稿: 三紗 | 2004-11-09 17:29
三紗さん、こんばんは(^^)
びっくりしましたか(笑)
私もびっくりしましたよ<なんでこんなに長くなっちゃったのか(^^;
ひでさんへのレスでも書きましたが、あまりに長くてトラックバックする勇気がでませんでした。
菊の由来を見付けることもできませんでしたし...
実はこの後もさらに調べてみたんですが、A9で検索した時、1789にBlanquart某が云々という記述をベルギーのサイトで見たんですが、ソースが書いてなかったので、信頼するにたる記事ではないと判断しました。
だれか知りませんかね、本当に。気になりますね。
PS
>ところで、フランス生活長いんですね。
へ?2年半って長いですか?...長いかもしれませんね...。フランス語のことは...家に閉じこもっている主夫に聞かないで下さい(^^;
投稿: facet | 2004-11-09 19:21